- 第19問(成長曲線の評価)
- 第20問(障害児を対象とした医療費助成制度)
- 第21問(母子保健事業)
- 第22問(エリクソンの心理的発達課題)
- 第23問(子どもの貧困対策)
- 第24問(非行少年の定義)
- 第25問(非行相談の分類)
- 第26問(少年審判の手続)
- 第27問(精神疾患と精神障害)
- 第28問(精神保健福祉法に基づく入院形態)
- 第29問(学校と地域との連携)
- 第30問(公教育)
- 第31問(保育所・認定こども園)
- 第32問(保育所等における子育て支援施策)
問題24
少年非行に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 児童福祉法と少年法において用いられる「少年」の定義は,同義である。
- 「犯罪少年」と「触法少年」は,いずれも刑罰対象となる。
- 「虞犯少年」とは,14歳以上の少年にも14歳未満の少年にも使用される。
- 「特定少年」とは,罪を犯した18歳未満の少年をいう。
- 「初発型非行」とは,家出や深夜徘徊などの不良行為のことをいう。
正答:3
1 × 児童福祉法では、満18歳に達するまでの者を「少年」と定義していますが、少年法では「20歳に満たない者」を「少年」と定義しています。
2 × 14歳未満の触法少年は、刑罰法令に触れる行為をしていますが、責任無能力者のため、刑事責任を問うことができないので犯罪とはなりません。児童福祉法の措置が優先となります。
3 ○ 「虞犯少年」には年齢の区分がありません。将来刑罰法令に触れるおそれのあるすべての少年に使用されます。
4 × 「特定少年」は、成年年齢を18歳とする民法改正を受けて、2022年4月に改正された少年法にて、定められました。新たに成人となった18歳、19歳の者を「特定少年」として、17歳以下の「少年」とは異なる取り扱いを定めています。
5 × 「初発型非行」とは、万引きや自転車盗、オートバイ盗、占有離脱物横領などの、比較的軽微な非行を指します。
ポイント
テーマは「少年非行」ですが、頻出の「用語の定義」が問われていますので、絶対に解けるようになりたい重要問題です。
| 区分 | 年齢 | 内容 |
|---|---|---|
| 触法少年 | 14歳未満 | 刑罰法令に触れる行為をした少年 |
| 犯罪少年 | 14歳以上 | 罪を犯した少年 |
| 特定少年 | 18歳・19歳 | 18歳・19歳の少年(特例となる年齢の条件を指している) |
| 虞犯少年 | 18歳未満 | 将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年 ※2022年4月から、18歳・19歳の少年は対象外 |
法律による「少年」の定義の違いや、少年法の「犯罪少年」「触法少年」「特定少年」の年齢区分の違い、「虞犯少年」の定義は、司法手続がテーマの問題でも扱われます。それぞれ、何歳の少年のことを指しているのか、混乱しないように自分なりに整理しておきましょう。
また、それぞれの区分によって、少年事件の手続の流れも異なります。混乱しやすいので、フローチャートなどを使って分かりやすく覚えましょう。
問題25
児童相談所の相談区分における「非行相談」の説明として最も適切なものを1つ選びなさい。
- 非行相談には,犯罪行為等相談,触法行為等相談,虞犯(ぐはん)等相談の区分がある。
- 飲酒,喫煙等の問題行動のある児童の相談は,触法行為等相談である。
- 警察署から万引き(窃盗)をしたとして連絡があった13歳の児童で,児童福祉法第25条の通告があった場合の相談は,触法行為等相談である。
- 児童の家庭内暴力に悩んだ保護者による相談は,触法行為等相談である。
- 家出先で暴行した13歳の児童で警察署から児童福祉法第25条による通告があった場合の相談は,虞犯(ぐはん)等相談である。
正答:3
1 × 児童相談所の非行相談としては、「触法行為等相談」「虞犯等相談」が該当します。犯罪行為を行った14歳以上の少年についての相談は、基本的に警察や家庭裁判所が担当します。
2 × 飲酒、喫煙等の問題行動のある児童の相談は、「虞犯等相談」です。虞犯等相談に該当するものとしては、このほか虚言癖、浪費癖、家出、浮浪、乱暴、性的逸脱等の虞犯行為のある児童の相談などが該当します。
3 ○ 窃盗を行った13歳の少年ですので、触法少年です。触法行為の相談には2パターンあり、児童福祉法25条の通告があった場合は「触法行為等相談」、25条通告の無い子どもの場合は「虞犯等相談」です。
4 × 児童の家庭内暴力に悩んだ保護者による相談は「育成相談」のうち、性格もしくは行動上の問題に関する「性格行動相談」です。
5 × 選択肢3の別パターンです。14歳未満の触法行為によって、警察署から児童福祉法25条の通告があった場合は「触法行為等相談」が正解です。
ポイント
児童相談所が対応する相談内容は多岐にわたりますが、統計上は「養護相談」「障害相談」「非行相談」「育成相談」「保健相談」「その他の相談」の6種類にわかれます。
区分の詳細については、「児童相談所運営指針」の「表-3」にまとめられています。
次年度以降は、別の相談区分について振り分ける問題が出題されるかもしれませんので、「児童相談所運営指針」資料にも目を通しておくと分かりやすいと思います。
問題26
少年法に基づいた審判手続きのため,非行をした12歳の児童を家庭裁判所へ送致するまでの流れについて,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 警察官が捜査した上で,警察署から直接,家庭裁判所へ送致する。
- 警察官が捜査した上で,検察官を経由して家庭裁判所へ送致する。
- 要保護児童対策地域協議会が,家庭裁判所へ通告する。
- 都道府県知事又は児童相談所長が,警察官に依頼して家庭裁判所へ送致する。
- 都道府県知事又は児童相談所長が,家庭裁判所へ送致する。
正答:5
1 × 14歳未満の触法行為については、原則的に司法手続ではなく、福祉的処遇により行われます。警察署から児童相談所に通告が行われるのが原則です。
2 × 警察官が捜査の上、検察官を経由して家庭裁判所に送致するのは、14歳以上の「犯罪少年」の場合です。この少年は12歳ですので、この送致手続は行われません。
3 × 要保護児童対策協議会は、要保護児童等の支援内容の協議、情報交換を行う機関ですので、家庭裁判所への送致はできません。また、「通告」という用語の場合、相手は「児童相談所」です。
4 × 都道府県知事や児童相談所長は、重大事件の場合、警察官に依頼することなしに家庭裁判所に送致することができます。
5 ○ 14歳未満であっても、殺人などの重大な結果を引き起こし、家庭裁判所の審判が相当と児童相談所長が認めた場合、都道府県知事又は児童相談所長は、少年を家庭裁判所に送致します。
ポイント
少年法上の手続の流れは、年齢区分ごとに中心となる機関がどこかに着目すると、分かりやすくなります。
14歳未満の場合は、まず福祉的処遇が原則ですので、児童相談所への通告が起点となり、結果の重大性に合わせて、家庭裁判所送致が行われます。
14歳以上の場合は、原則的に全件が家庭裁判所に送致されますが、重大事件の場合は検察官に送致(逆送)され、刑事裁判が行われます。
- 少年の年齢
- 14歳以上か、14歳未満か、特定少年(18・19歳なのか)を確認します
- 14歳未満(触法少年)
- 警察が児童相談所に通告(児童福祉法25条通告)
- 児童相談所が処分決定
- 不処分や、児童福祉法上の措置を決定する場合もあります。
結果が重大で、少年審判が相当と児童相談所長が認めた場合、家庭裁判所に送致されます。
- 14歳以上(犯罪少年)
- 警察が捜査の後、軽微な事件の場合は、直接家庭裁判所に送致します。
比較的重大な事件の場合は、検察官に送致します。
- 18・19歳(特定少年)
- 特定少年の場合は、全件が検察庁に送致されます。
- 検察庁
- 検察官が取り調べを行い、どのような処分が適切かの意見書を付けて、家庭裁判所に送ります。
- 家庭裁判所送致
- 家庭裁判所調査官による調査や、少年鑑別所送致による調査を行います。
調査の結果、審判不開始となる場合もあります。
14歳以上の重大な罪を犯した少年で、刑事処分にすべきだと認めた場合、事件を検察庁に送り返します。(逆送)
特定少年の場合は、犯罪少年よりも原則逆送の対象となる犯罪が多くなります。
- 少年審判
- ・少年院送致
・保護観察(特定少年以外)
・児童自立支援施設送致
などの保護処分を行います。
- 検察官送致(逆送)
- 逆送事件の場合、原則、裁判所に起訴されます。
- 裁判所
- 成人の刑事事件と同じ手続きに移ります。
問題27
精神疾患及び精神障害に関連する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 統合失調症は再発しやすく,障害は固定しやすい。
- 人的環境が生活のしづらさに影響を与える。
- 五大疾病の内,がん(悪性新生物)に次いで数が多い。
- うつ病は精神症状が中心であり,身体症状の出現はまれである。
- 病気の発症は,生物的要因ではなく,心理学的・社会的要因とされる。
正答:2
1 × 統合失調症は慢性疾患であり、服薬の中断や環境(ストレス)により再発・再燃しやすいことが知られています。また、思考・認知の障害の程度にも波があります。
2 ○ 精神疾患は、それぞれの人が持っている遺伝的・身体的要因と種々の環境ストレスの相互作用によって発症すると言われています(ストレス脆弱性モデル)。その人をとりまく人的環境は、発症だけでなく、回復や予防にも大きな影響を与えています。
3 × 令和5年度の患者調査によると、がん(悪性新生物)の治療を受けている患者は、推計292.5万人、精神疾患の治療を受けている患者は、推計457.7万人ですので、精神疾患の患者数の方ががん患者よりも多いです。
4 × うつ病は、抑うつ気分や意欲減退、興味喪失といった精神症状以外にも、食欲不振、下痢・便秘、頭痛・肩こりなどの身体症状が出現する場合があります。特に、こどものうつ病では、身体症状が前面に出ている場合が多いです。
5 × 精神疾患の発症には、心理学的・社会的要因だけではなく、それぞれの人が持つ遺伝的側面(生物学的要因)も関与しています。
ポイント
第1回試験では、統合失調症とうつ病についての基本的な知識と、バイオ・サイコ・ソーシャルモデル(BPSモデル)について問われました。
今後、こども家庭ソーシャルワーカー試験として考えられる出題としては、保護者の疾患としては双極症(躁うつ病)や物質使用障害(アルコール依存症など)、認知症(若年性認知症)、こどもの疾患としては発達障害(特に、自閉スペクトラム症、注意欠如多動症)、摂食障害などがあります。主な精神疾患について、ざっくりで良いので概要を把握しておくとよいでしょう。
参考HP:「こころの情報サイト」(国立精神・神経医療研究センター)
問題28
次の記述のうち,精神保健福祉法(注)に基づく入院形態として最も適切なものを1つ選びなさい。
Gさん(16歳,女性)は,半年前より不登校になり,その後,精神的不調を訴え,不眠や食欲不振,パニック発作が生じ,母親とともに精神科病院を受診した。そこで,医師より入院の必要性について説明があり,Gさんは同意して入院となった。
- 措置入院
- 医療保護入院
- 任意入院
- 緊急措置入院
- 応急入院
正答:3
精神保健福祉法上の入院形態を問う問題です。
| 入院形態 | 要件 | その他の条件 |
|---|---|---|
| 任意入院 | 本人の同意 | |
| 医療保護入院 | 家族等の同意 | 精神保健指定医1名の診察 (特定医師の場合は12時間以内) |
| 措置入院 | 自傷他害のおそれ 行政処分(知事の決定) | 精神保健指定医2名以上の診察 |
| 緊急措置入院 | 自傷他害のおそれ 行政処分(知事の決定) | 精神保健指定医1名の診察 72時間以内 |
| 応急入院 | 急を要する場合で 家族等の同意が得られない場合 (連絡が取れないなど) | 精神保健指定医1名の診察 72時間以内 (特定医師の場合は12時間以内) |
上記の表の内容を踏まえて、選択肢を検討します。
1 × 不眠や食欲不振、パニック発作が生じたとありますが、自傷他害のおそれが認められないため、措置入院の対象ではありません。
2 × Gさんは母親とともに受診していますが、入院に同意したのは本人ですので、医療保護入院ではありません。
3 ○ Gさん自身が同意して入院していますので、自発的入院(任意入院)と考えられます。
4 × 選択肢1と同様、自傷他害のおそれが読み取れませんので、緊急措置入院の対象ではありません。
5 × Gさんは母親とともに受診していますし、本人が入院に同意していますので、応急入院の対象ではありません。
ポイント
精神保健福祉士資格には、必須の精神保健福祉法上の入院形態の問題ですが、近年では社会福祉士試験や看護師試験でも出題されています。
精神疾患・精神障害に関わる入院形態としては、もう1形態あります。心神喪失または心神耗弱の状態で重大な他害行為を行った場合の、医療観察法入院もありますが、こども家庭ソーシャルワーカー試験対策としては、当面、他に身につけるべき知識も多くあることから、出題可能性は低いのではないかと考えています。
まずは、措置入院と医療保護入院の違いを把握してから、本人同意による任意入院がある(当たり前のように思われますが、精神疾患の急性期には、病識が無い場合も多いためです)ことも把握しておきたいところです。
