2022年(令和4年)の児童福祉法改正に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 「児童家庭支援センター」を児童福祉施設として創設した。
  2. 「妊産婦等生活援助事業」を事業として創設した。
  3. こども家庭センターに児童の意見聴取等の仕組みを整備する義務を課した。
  4. 児童相談所長に内閣総理大臣が定める基準に適合する研修の受講義務を課した。
  5. 福祉型障害児入所施設と医療型障害児入所施設を「障害児入所施設」に一元化した。

1 × 「児童家庭支援センター」が児童福祉施設として創設されたのは、1997年(平成9年)です。
2  選択肢の通りです。「妊産婦等生活援助事業」は、2022年児童福祉法改正で創設された事業です。
3 × 2022年の児童福祉法改正で創設された「意見表明等支援事業」のことと推定されますが、意見聴取の義務があるのは、都道府県知事児童相談所長です。
4 × 児童相談所長が受講すべき研修の基準を定めるものが、厚生労働大臣から内閣総理大臣に移管されたのは、児童福祉法改正ではなく、2023年の「こども家庭庁設置法」施行によるものです。
5 × 2022年の児童福祉法改正で一元化されたのは、福祉型児童発達支援センター医療型児童発達支援センターです。

 難易度の高い問題です。 
 選択肢1は、2022年児童福祉法改正で創設された「こども家庭センター」と混同する方が多いと思います。
 「こども家庭センター」は、児童福祉施設でもありません
 選択肢4についても、所管する法律の違いによって、誤選択を誘引する設問です。

 最新の児童福祉法の改正点は、当面の頻出内容となりそうですので、こども家庭庁の概要資料などで十分に理解しておきましょう。

 子ども・若者育成支援推進法に定められた内容の説明として正しいものを1つ選びなさい。

  1. 都道府県・市町村は「子ども・若者計画」を定めなければならないとしている。
  2. 子ども・若者を「満20歳に満たない者」として定義している。
  3. 「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」を、行政が各種支援に努めるべき対象としている。
  4. 子ども若者支援地域協議会を設置する場合、支援対象である、もしくは支援対象であった若者を構成員の過半数としなければならないとしている。
  5. 子ども・若者総合相談センターによる支援を受けるにあたっては、子ども・若者本人が就学していることを要件としている。

1 × 「子ども・若者計画」の制定は、都道府県・市町村の努力義務ですので、「定めるよう努める」とされています。
2 × 「子ども・若者育成支援推進法」では、「子ども・若者」の定義はされていません。
3  第二条七項に「修学及び就業のいずれもしていない子ども・若者、家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者その他の社会生活を円滑に営む上での困難を有する子ども・若者に対しては、その困難の内容及び程度に応じ、当該子ども・若者の意思を十分に尊重しつつ、必要な支援を行うこと。」とあります。
4 × 協議会の構成員の割合に関する定めはありません。ちなみに協議会を構成する「関係機関等」とは、「国、地方公共団体、公益社団法人、公益財団法人、特定非営利活動法人、その他の団体、学識経験者、その他の者(教育、福祉、保健、医療、矯正、更生保護、雇用その他の子ども・若者育成支援に関連する分野の事務に従事するもの)」を指します。
5 × 選択肢3で引用した条文に、「修学及び就業のいずれもしていない子ども・若者」が支援対象として記載されています。

 「子ども・若者育成支援推進法」のポイントは、「ヤングケアラー」が初めて支援対象として、法律上に明記されたこと(2024年改正)が最重要点ですので、まずはこの点を押さえましょう。
 ぜんぶで34条しかないコンパクトな法律ですので、国・都道府県・市町村の役割支援対象とその内容どのような分野の機関が関係するのかを中心に、把握しておくとよいでしょう。

 子ども家庭福祉領域の法律に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 母子及び父子並びに寡婦福祉法では、児童を「満18歳に満たない者」と定義している。
  2. 母子保健法は、母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進を図るための法律として制定されている。
  3. 児童手当法に基づく児童手当の支給対象児童は、日本国籍であることが求められる。
  4. 児童扶養手当法に基づく児童扶養手当は、児童を監護しない親からの養育費の確保が受給の要件となっている。
  5. 特別児童扶養手当等の支給に関する法律に基づく特別児童扶養手当は、受給資格者の前年の所得額による制限は受けないものとされている。

1 × 母子父子寡婦福祉法では、児童を「二十歳に満たない者」と定義しています。(第六条3項)
2  母子保健法の目的の1つとして、「母性並びに乳児及び幼児健康の保持及び増進を図るため、母子保健に関する原理を明らかにする」ことが掲げられています。(第一条)
3 × 児童手当法の対象者は、「日本国内に住所を有するもの」となっていますので、国籍に制限はありません。(第四条)
4 × 児童の養育に必要な費用(養育費)の確保は、児童扶養手当の支給要件ではありません。逆に、養育費が支払われている場合、その額により支給制限を受けることがあります。(第九条)
5 × 特別児童扶養手当は、父または母とその配偶者と、生計を同じにするその扶養義務者の前年の所得が、一定額以上の時は支給されません。

 こどもに関する法律のうち、定義部分の学習は必須です。
 それぞれの用語の意味や対象者の要件を、自分自身の言葉で説明できることを目指しましょう。
 試験では、各々の用語の意味を混同させずに選択できれば十分ですが、用語を自分自身の言葉で説明できるようにしておくことで、実務にも役立てられます。

 

 児童相談所に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 児童相談所は、児童虐待防止法に基づき、都道府県および政令指定都市に設置義務がある。
  2. 児童相談所では、児童福祉司が援助方針の決定権限をもつ。
  3. 児童相談所の基本的機能とは、相談、判定、指導、訓戒の4つである。
  4. 児童相談所は、市町村の児童家庭相談について必要な援助を行う。
  5. 児童相談所では、弁護士又は司法書士の配置をしなければならない。

1 × 児童相談所は「児童福祉法」第十二条に規定される機関です。
2 × 援助方針は、援助方針会議において検討され、児童相談所長が決定します。
3 × 児童相談所の基本的機能は、市町村援助機能、相談機能、一時保護機能、措置機能の4つです。
4  児童相談所の市町村援助機能とは、この肢のような、市町村の児童家庭相談についての援助が含まれます。
5 × 児童相談所必置の職員は、児童福祉司SV、児童福祉司、相談員、医師(精神科・小児科)、保健師、児童心理司SV、児童心理司、弁護士他であり、司法書士は含まれません。

 児童相談所の機能や、手続きの流れについては「児童相談所運営指針」にまとめられています。
 頻出事項ですので、試験直前時期には必ず押さえておきたいポイントです。

 事例文を読み、E認定こども園のF保育士が、この時点で利用を勧める事業として、最も適切なものを1つ選びなさい。
【事例文】
 Dさん(32歳、女性)は、夫と娘(8ヶ月)とともに最近この地域へ引っ越してきた。現在Dさんは、そろそろ求職活動をしたいと考えており、将来の入園に備えてE認定こども園に見学と相談にきた。見学後、DさんはF保育士に「最近、この地域に引っ越してきたばかりで、知り合いがいない。同年代の子ども同士の交流の機会もない。入園までの間、このままでよいのかと不安になることがある」と話した。

  1. 養育支援訪問事業
  2. 保育所等訪問支援
  3. 子育て世帯訪問支援事業
  4. 地域子育て支援拠点事業
  5. 児童育成支援拠点事業